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こどもの仕上げ磨きはいつまで必要?

滋賀県草津市の歯医者、Sono dental Clinicおとな&こども歯科、院長の越後です。
今回は、「子どもの仕上げ磨きはいつまで必要?」についてお話をしていきます。


【結論】「小学校高学年」までが目安。ただし、やめどきは“年齢”ではなく“磨ける力”で判断を。

仕上げ磨きの目安は一般的に小学校高学年(10〜12歳)頃までとされていますが、それはあくまで“目安”です。
大切なのは、「子どもが自分の歯をきちんと磨けているか」「習慣化できているか」というセルフケア力が育っているかどうかです。
つまり、年齢ではなく、“自立した歯磨き習慣が身についているか”を基準に考えることが、むし歯ゼロの成長に繋がります。


目次

  1. そもそも仕上げ磨きってなに?
  2. なぜ、そんなに仕上げ磨きが大切なの?
  3. 仕上げ磨きはいつからいつまで?
  4. やめどきの判断基準とは?
  5. 年代別!仕上げ磨きのポイント
  6. 仕上げ磨きを卒業した後に気をつけたいこと
  7. “嫌がる仕上げ磨き”を楽しく続ける工夫
  8. まとめ

1. そもそも仕上げ磨きってなに?

仕上げ磨きとは、子どもが自分で歯磨きをしたあとに、大人が仕上げとして行う歯磨きのことです。
乳歯はもちろん、生え始めの永久歯や歯並びがまだ整っていない混合歯列期は、磨き残しやすく、むし歯リスクも高くなります。
そのため、大人の手でチェックと仕上げをしてあげることが、子どものお口の健康を守る鍵となります。


2. なぜ、そんなに仕上げ磨きが大切なの?

理由は大きく3つあります。

① 子どもは「きちんと磨けたつもり」になりやすい

実際に染め出し液で確認してみると、自分で磨いたあとのお子さんの口の中には、多くの磨き残しが見られることが少なくありません。

② 乳歯も永久歯もむし歯になりやすい

特に生えたての永久歯(6歳臼歯など)は、歯の表面が未成熟で、溝も深く、むし歯になりやすいです。

③ 習慣が定着する大事な時期

「毎日しっかり磨く」「ケアを受けることに慣れる」という習慣は、大人になってからのセルフケアや歯科受診への抵抗感を減らします。


3. 仕上げ磨きはいつからいつまで?

仕上げ磨きは、乳歯が生え始めた頃からスタートします。
多くの保護者の方が気になるのは「いつ終えるのが正解?」という部分ですが、一律で何歳とは言えません
ただし、日本小児歯科学会や歯科医師の間では「小学校高学年まで(12歳頃)は続けるのが理想」とされています。

その理由は以下のとおりです:

  • 奥歯(第二大臼歯)が生えるのが12歳前後で、磨きにくい
  • 小学校高学年になると、自主性が芽生える反面、歯磨きが雑になる子もいる
  • 反抗期の入り口で、注意しても聞き入れてくれない時期に突入する

4. やめどきの判断基準とは?

以下の3つのポイントが、仕上げ磨きを卒業できるかどうかの判断材料になります。

① 自分で正しく磨けているか

歯ブラシの当て方・持ち方・磨く順番が自然にできていて、磨き残しが少ない状態が続いているか。

② 毎日の習慣になっているか

保護者の声かけなしでも、自発的に朝晩磨けるかどうかは非常に大事な要素です。

③ 定期検診でむし歯がないか

歯科医院でのプロのチェックでも異常がなければ、セルフケア力が育っている証拠です。


5. 年代別!仕上げ磨きのポイント

年齢特徴仕上げ磨きの注意点
0〜2歳イヤイヤ期/乳歯が生え始める短時間で楽しく。無理に押さえつけず慣らすことを優先
3〜5歳模倣・ごっこ遊びが好き「一緒に歯磨きしようね」で興味を引く。まだまだ自分ではうまく磨けないのでしっかり仕上げを
6〜9歳混合歯列期/小学校低学年永久歯が生え始め、磨きづらくなる。寝る前の仕上げは必須
10〜12歳手先が器用に/反抗期の入口本人の責任感も育つ時期。時々染め出しチェックや夜だけ仕上げ磨きの継続を

6. 仕上げ磨きを卒業した後に気をつけたいこと

仕上げ磨きが不要になっても、以下のフォローは欠かさないようにしましょう

  • 月に1回は「染め出し」でチェックしてみる
  • 3〜4か月ごとの定期検診を継続
  • フロスを習慣化
  • スマホやテレビを見ながらの“ながら磨き”になっていないか確認

特に、思春期はむし歯のリスクが再上昇する時期です。
気を抜かず「見守るケア」に切り替えましょう。


7. “嫌がる仕上げ磨き”を楽しく続ける工夫

仕上げ磨きを嫌がるお子さんは多いですが、少しの工夫で楽しく続けることができます。

  • 歯磨きアプリを使って「タイマー」や「キャラクター」の力を借りる
  • ご褒美シールを作って達成感を与える
  • 子どもが自分で選んだ歯ブラシや歯磨き粉を使う
  • YouTubeやお気に入りの音楽を流してリラックスさせる

子どもにとって“歯磨きは親に甘えられる時間”でもあります。
コミュニケーションを取りながら、楽しい時間に変えていきましょう。


8. まとめ

仕上げ磨きは、「何歳まで」と区切るのではなく、お子さんが自分の歯をきちんと守れるようになるまで続けるのが大切です。
基本の目安は小学校高学年まで。ただし、お子さんの成長には個人差があります。
ぜひ以下の点を参考にしてください:

  • 自分で正しく磨けるようになるまでは継続
  • 年齢ではなく“習慣と磨き方の質”で判断
  • 卒業後も「見守るケア」と定期検診は欠かさずに

子どものむし歯予防は、「家での仕上げ磨き」と「歯科での定期チェック」のダブルガードが効果的です。
お子さんの未来の笑顔のために、今できることを一緒に頑張っていきましょう!


Sono Dental Clinicでは、仕上げ磨きのやり方や、卒業の見極め方についても個別でアドバイスしています。
気になることがあれば、いつでもお気軽にご相談ください。